「アーカム・アドヴァタイザー」(新聞)
(概要)
アーカムの代表的新聞。
『ダニッチの怪』:1928
・1917年に、ウィルバー・ウェイトリィの早熟を報道する記事を掲載した。
『狂気の山脈にて』:1931
・1930年から行われた南極調査について、直接無線連絡を受けて報道している。

 

「アーサー・ゴードン・ピム」 著:エドガー・アラン・ポー *実在
『狂気の山脈にて』:1931
・南極調査隊隊員のダンフォースがポーの愛読者で、ダイアー教授も南極について書かれた同作品に興味があったという。

 

「アイルズベリイ・トランスクリプト」(新聞)
『ダニッチの怪』:1928
・1928年のダニッチ事件について報告を受けるも、編集長はこれをいつもの法外な話と看做して面白可笑しく報道した。
 のちにこれがAP通信によって報道各誌に転載されることになる。

 

アウトサイダー及びその他の物語 *実在
・1939年、アーカムハウス刊行の三つの選集の一つ

 

「悪魔崇拝」:レメギウス *実在
『魔宴』:1923
・1595年、リヨンで上梓された、慄然たる書物。キングスポートのある家に収蔵されていた古書の一冊。

 

「アザトホースその他の恐怖」 著:エドワード・ダービィ
『戸口にあらわれたもの』:1933
・ダービィが18歳の時に著した、悪魔のような叙事詩。一大センセーションを巻き起こしたという。

 

「後から来るもののためにいかにして時空を超越し得るか」
『C・D・ウォードの怪奇な事件』:1927〜28
・1918年にチャールズ・ウォードによって発見されたカーウィン文章の一つ。カーウィンの蘇生法が書かれていたと推察される。

 

「アトランティス大陸と失われたレムリア」 著:W・スコット・エリオット
『クトゥルフの呼び声』:1926
・エインジェル教授の草稿に引用あり

 

「窖(あな)に通じる階段」 著:ロバート・ブレイク
『闇をさまようもの』:1935
・ブレイクが1934〜35年の冬に完成させた、自作の中で最も世に知られた短編小説五編のうちの一つ。

 

「アフリカ各部の考察」 著:ウェイド・ジャーミン卿
『故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実』:1920
・先史時代のコンゴにおける白人についての異様な考察が記述されている。
 ウェイド・ジャーミンはアーサー・ジャーミンの5代前の当主で、最も初期にコンゴを探検した人物の一人。
 1765年にハンティングトン精神病院に収容された。

 

「アフリカ心理学協会紀要」 著:ナサニエル・・ウィンゲイト・ピースリー
『時間からの影』:1934〜35
・1929年、大いなる種族から解放されたミスカトニック大学ピースリー教授が論文を寄稿した学会誌。
 精神転換中の記憶について述べられているが、大方の興味を引くことは出来なかったが、同誌を読んだE・M・ボイル医師、
 並びに発掘調査中のロバート・B・F・マッケンジーにより、オーストラリアの大いなる種族の遺跡が発掘されることになる。

 

「アメリカにおけるキリストの大いなる御業」 著:コットン・マザー
『名状しがたいもの』:1923
・コットン・マザーが地方の血迷った流言を真に受けて、混乱した記述を詰め込んでいるという。

 

「アルベルトゥス・マグヌス全集」 著:ピーター・ジャム編
『C・D・ウォードの怪奇な事件』:1927〜28
・1745年、プロヴィデンス・ポートゥックスト街道沿いの農場にあるジョゼフ・カーウィン宅の書斎に収蔵されていた魔道書の一冊。

 

「暗号解読」 著:ファルコナー
『ダニッチの怪』:1928
・1928年、ウィルバー・ウェイトリィの手記を解読するためヘンリー・アーミティッジ博士が利用した暗号解読書。

 

「暗号学」:クリューベル
『ダニッチの怪』:1928
・1928年、ウィルバー・ウェイトリィの手記を解読するためヘンリー・アーミティッジ博士が利用した暗号解読書。

 

「イーグル」(新聞)
『レッド・フックの怪』:1925
・ロバート・サイダムとベイサイドのコーニリア・ゲリトセン、年長の花婿の遠縁に当たる並々ならぬ身分の女性との
 婚約を伝える記事が掲載された。

 

「イオドの書」
・ヘンリー・カットナー創造による魔導書。
 書簡にてHPLが「いつか使いたい」と言っていた・・・が、実際使われたようには無いような・・・

 

「イヴニング・ブレティン」(新聞)
『C・D・ウォードの怪奇な事件』:1927〜28
・1926年4月12日の記事に"三度目の墓荒らし"の記事あり。

 

「イスラムの琴(カノーン)」 著:アブドゥル・アルハズレッド
(概要)
詳細不明。恐らく
ネクロノミコンの異称、或いは断章と思われる。あまり登場することはない。
『C・D・ウォードの怪奇な事件』:1927〜28
・1745年、プロヴィデンス・ポートゥックスト街道沿いの農場にあるジョゼフ・カーウィン宅の書斎に収蔵されていた魔道書の一冊。
 美麗な豪華本で、アブドゥル・アルハズレッドが著した死者の魂を招く術についての禁断の書。
 キングスポートで秘密宗団が発見された際、この書物に関して奇怪な噂が流れた。

 

「以前はセーレム、現在はプロヴィデンスの住人ジョゼフ・カーウィンの日誌および覚書」
『C・D・ウォードの怪奇な事件』:1927〜28
・1761年に立て直されたオルニー・コートにあるカーウィン宅から、1918年にチャールズ・ウォードによって発見された。
 肖像画の後ろに隠されており、他に以下6種の紙片の束が存在。併せて
「カーウィン文章」と呼ぶ。
 『後から来るもののためにいかにして時空を超越し得るか』
 『第二の束(無題の暗号文、ハッチンソン文章と同じ暗号文字による)』
 『第三の束(無題、前記暗号文解読の鍵であると推察)』
 『第四/第五の束』(エドワード・ハッチンソン、ジェディダイア・オーン、その他相続者宛)
 『ジョゼフ・カーウィンの生涯と1678年から87年にいたる機関の海外旅行。どこへ旅立ち、どこへ滞在し、だれと会い、なにを学んだか』

 

「偉大なる魔術(アルス・マグナ・エト・ウルティマ)」
『C・D・ウォードの怪奇な事件』:1927〜28
・1745年、プロヴィデンス・ポートゥックスト街道沿いの農場にあるジョゼフ・カーウィン宅の書斎に収蔵されていた魔道書の一冊。

 

「いにしえの書(無題)」
『いにしえの書』:1934 (断章)
・題名不明。虫食い穴だらけの古書で、印刷ではなく、半ば狂った修道僧が、恐ろしく古色蒼然としたアンシャル書体で、
 不吉なラテン語の章句を書き写したものであるという。
 これを売り渡した主人は『闇の一族』の古書店主と類似しており、或いはネクロノミコンの写本なのかもしれない。

 

「イラーネクの古文書」
『サーナスの災厄』:1919
・サルナスの住人であるイブ族について記されており、いつしか火をおこす術を覚え、様々な儀式に火を使うようになったという。

 

「インスマスの影」 *実在
・1936年にファンが出版した(つまり自費出版である)、HPL生前唯一の個人出版物。

 

「ウーレイ=アドゥンの到来」
・1936年書簡にて言及された書物らしきもの。詳細不明。
 太古・・・とはいえ哺乳動物時代なので比較的新しい時代・・・の歴史の秘密が描かれているらしい。

 

「ウィスパーズ」
『名状しがたいもの』:1923
・1922年1月号に、ランドルフ・カーターが「屋根裏の窓」という小説を掲載した。

 

「ウィルバー・ウェイトリィの手記」
『ダニッチの怪』:1928
・1928年に、ダニッチ事件に関してアーミティッジ博士らに翻訳の為に届けられたウィルバー・ウェイトリィの手記。
 太古の奥義を伝授されたものだけが解読できる暗号文字が使われているが、文章自体は英語で書かれている。
 アーミティッジ博士によって解読され、ダニッチ事件の解決の鍵となった。

 

「エイボンの書」 著:魔道士エイボン
(概要)
クラーク・アシュトン・スミスの創造による魔道書。
古代ヒューペルボリア大陸の北方ムー・トゥーランに住んでいた、ツァトゥグアの神官である大魔道士エイボンが執筆した。
エイボンは怠惰だが忠義には報いるツァトゥグア神によく遣え、その禁断の加護と英知を最も多く受けた人間である。
最期は公教イホウンデー派に追われるも、ツァトゥグアの加護によりサイクラノーシュ(土星)へと逃れることができた。
同書にはエイボンが習得した禁断の知識、具体的な魔術や神々の情報が数多く記されているものと思われる。
『魔女の家の夢』:1932
・ミスカトニック大学の学生ウォルター・ギルマンが閲覧した奇書の一冊で、空間超越に関する自説の手がかりを発見したという。
『戸口にあらわれたもの』:1933

・ミスカトニック大学付属図書館に収蔵されている、恐るべき書。エドワード・ダービィが密かに閲覧した。
『時間からの影』:1934〜35
・1908〜13年の間、ミスカトニック大学ピースリー教授の体を借りた大いなる種族が閲覧し、欄外に書き込みをしたという。
 ただし彼が閲覧したのは「残存する断片」であるらしい
『闇をさまようもの』:1935
・1935年にブレイクがフィデラル・ヒルの放棄されたO∵S∵W∵教会へ侵入した際、書棚に収蔵してあった魔道書の一つ。
 邪悪きわまりないと形容される。

 

「エドウィン・M・リリブリッジのメモ」
『闇をさまようもの』:1935
・1935年にブレイクがフィデラル・ヒルの放棄されたO∵S∵W∵教会へ侵入した際、リリブリッジの遺体から発見したメモ。
 1844〜51年に渡るO∵S∵W∵の変遷が書かれている。

 

「エルトダウン・シャーズ(陶片)」
(概要)
リチャード・F・シーライトの創造による、太古の記録文章。
創造時期は遅いもののHPLはこれをかなり気に入っており、「いつか使いたい」とも言っていた。
これは地質年代で言う石炭紀、およそ3.6〜2.9億年前の地層から出土した陶片に古代文字が刻まれていたものである。
明らかにイスの大いなる種族について書かれており、1.5億年前のイェーキュブ人の襲来が記録されている。
この宇宙生命体は大いなる種族と類似した空間超越・精神転換の能力を持ちながら、明らかに"邪悪"な存在であった。
星を転々と移住し、千単位で大規模な移住をしてはその星の生命体を絶滅させてきたのだ。
大いなる種族はその斥候を発見・封印して侵略を防いできたが、時代と共にその封印は行方知れずになった。
なおイェーキュブ人自体は巨大な灰色の芋虫のような姿をしている。
HPL書簡集によると、同書はナコト写本と内容が一部符号するらしい。ナコト写本が氷河期前、つまり200万年前に書かれている
ことを考えると、或いは同書が写本の原本、オリジナル・ナコトである可能性は高い。
なお、このナコト写本との一致はHPLが書簡にて後付けで加えたものと思われる。
古のものが記録したものであるとされるが、大いなる種族の記述がある点が興味深い。
日本では「エルトダウン断片」、「エルトダウン陶片」とも翻訳される。
『暗根』:1933、シーライト
・冒頭に同書からの引用、魔道士オム・オリスと悪魔アヴァロスとの戦いが記録されている。
『時間からの影』:1934〜35

・論争の余地のある不穏な資料。大いなる種族の故郷である「イース」として知られるおぼめく超銀河の言及があるらしい。
『彼方よりの挑戦』:1935
・30年前、英国南部の石灰紀以前の地層から出土した、はなはだ胡散臭い、心迷わせる粘土板。
 1912年、神秘学に造詣の深いナセックスの聖職者アーサー・ブルック・ウィンターホース=ホール師がこの文字を
 <人類出現以前の象形文字>であるとして、これの翻訳書を自費出版した。
 この翻訳は神秘主義者の間で今もなお真面目に引用されている。内容については上記概要の通り。
 当時地上を席巻していた円錐生命体が残したとされ、明らかに大いなる種族によるものである。

 

「教え」 作:リチャード・アプトン・ピックマン(絵画)
『ピックマンのモデル』:1926
・ピックマンの絵画。墓地で食屍鬼が子供に「食事の仕方」を教えている図。